以前にデジマを実践するにあたり、従来型マーケティングの考え方を理解する事が重要だと書きました。
ここで言う従来型マーケティングとは、マーケティングの神様フィリップ・コトラーの「マーケティング・マネジメント」で説明されている考え方や手法のことです。
コトラーはマーケティングを考える上で4つのPが重要だと言います。
Product、Place、Price、Promotion
ですね。
今日は、この中でもPlace(流通、チャネル、場所)の重要性について取り上げて考えてみたいと思います。
ハンバーグ「さわやか」にみる立地(プレイス)戦略
ところで、昨日は静岡は御殿場まで遠征して「さわやか」のハンバーグを食べにいってきました。
「さわやか」とは、静岡県内で約30店舗運営されるハンバーグ専門チェーンで、メディアにも何度も取り上げられている超人気店です。
整理券待ちにこんなにも並んでる。これが有名ハンバーグの実力か
— Rio Nishida (@Riopo) 2020年2月15日
整理券が配られる10時前にはこの行列でした。
土曜日の10時過ぎ。ハンバーグさわやか御殿場インター店には姫路、足立、世田谷、大宮、香川、豊橋、相模、多摩、大阪、つくば、豊田、湘南、習志野、横浜、富士山ナンバーの車が開店待ち。文字通り全国から集う店。 pic.twitter.com/E8sGc65a16
— Rio Nishida (@Riopo) 2020年2月15日
さわやか御殿場インター店は、関東圏からのアクセスのし易さや、御殿場アウトレットのすぐ近くといった立地の良さがあります。
どの店舗も人気ではあるのですが、御殿場インター店は他店とも比べて圧倒的な混雑具合です。
2/16(日)10:30頃に画面キャプチャしてみました。
全店舗の待ち時間はこちらから確認できます。
ご丁寧に全店舗の混雑情報をレポートしてくれているブログも見つけましたが、
さわやかにアクセス出来る高速道路IC付近はもれなく人気店になっています。
こちらのマップは、緑印がさわやか店舗、青が東名高速、赤が東名高速のIC出入口になりますが、高速道路IC付近の立地を狙って出店している事が伺えます。
もちろん、ハンバーグも美味しいし、価格も手頃、メディア露出があってこそ活きてくる立地戦略ですが、繁華街から外れたIC付近であれば安く場代が調達出来るうえに、顧客も行きやすい、プレイスの重要性が分かります。
プレイスこそ最も希少価値が高い
コンビニの王者セブンイレブンは初めて進出する地域には固め打ちで相当数を出店し、そのエリア商圏の面を取る「ドミナント戦略」を重視してシェア拡大してきた話はあまりにも有名です。
また、有料記事ですがこちらのnoteでは、
マーケティングの成果を分ける2つのスキル|スドケン@ハック思考【勝手に未来想像シンクタンク】|note
現カイゼンプラットフォームCEO須藤氏がリクルート時代に担当していた雑誌30誌の多くを2年連続で20〜30%伸ばした戦略が語られています。
それは「良い棚を長く確保する」為の戦略です。
須藤氏は、「雑誌の場合は、商品が陳列される棚は雑誌において消費者との唯一の顧客接点であり、どれだけ良い商品を適性価格でプロモーションしても、販売出来る接点がなければ機会損失してしまう。マーケティングはプレイスがすべて」と発言しています。
例えばデパート目抜きの一等地、検索上位表示エリア、コンビニの棚などプロダクトやサービスを消費者に届けるPlace(流通)こそが、最も希少性価値が高いものです。
リアルでもネットでも一等地が独占できれば、莫大な超過収益が上がります。
GAFAなどのプラットフォーマーが良い例です。
ビジネスはプレイスの奪い合い
アップルがitunesで音楽の流通形態を180度変える事で音楽販売市場の独占化に成功しました。
PCからスマホへのチャネルシフトによりWebからアプリへ。TVからYoutubeへ。
さらには隙間時間の奪い合いにまで戦いが激化しています。
一等地を奪取する方法は、
- 新しいテクノロジーによりプレイスを新規創造する(そして、既存のプレイスを破壊する)「itunesパタン」
- 他者が気づいてないプレイスを見つける(成長が見込まれるプレイスに早めに乗っかるのもこれに含まれる)「さわやかパタン」
- 既存の一等地プレイスを奪うガチンコの殴り合う「SEOパタン」
自分のビジネスにとってどの方法で一等地を奪取するのが有効か。
じっくり戦略を練り強いビジネスを作っていきたいものですね。