昔話を書くのが楽しくなってしまったので、今日は高校に入学したての頃に起きた「たまご焼き事件」の話を書こうと思います。
僕が通っていた松高は地域では進学校と認識されているものの全国的にみると進学校と言えるかどうかギリギリのラインでした。
ましてや僕が通っていた20年前の頃は谷間の世代とも呼ばれ、学力は落ち込み、やんちゃな生徒もチラホラいるような高校です。
その中でも一番の問題児クラスに割り振られた結果、個性的なメンバが勢揃いし入学早々のクラス内ではいかにクラスで舐められないか、面白いと思われるか、注目を集めるか、マウントの取り合いが行われていました。
例えばこんな奴らの集まりです。
どこでもすぐ脱ぎすぎて「ここ風俗じゃないんでっ」とボーリング場の店員に怒られるやつ。
ヤン毛(襟足)がひたすら長いやつ。
学ランのドカン(=学ランのぶっといズボン。当時、短ランとドカンが大流行だった)が太すぎて先生に怒られてるやつ。
逆に学ランのズボンがスキニーすぎて怒られてるやつ。
いくらでも出てきそうなので以下割愛。
ちょっと学校にも慣れだした4月の終わり頃、春の陽気さとも相まってみんなしてベランダで弁当を食うようになりました。
ある時一人の子が調子に乗って
「こんなマズイおかずいらねえわっ」
的なノリでベランダから玉子焼きを投げだしました。
僕らはキャッキャッとその時は大笑いして盛り上がり。
松高は3階立ての校舎で、各クラスの新入生が一番上の3階、二年生が2階、最上級生の三年生は1階の教室にそれぞれ陣取って授業を受けることになっていました。
嘘のようなホントの話ですが、なんとその放り投げた卵焼きがたまたま三年生のヤンキーの先輩の頭に落っこちてしまいました。
僕らは全く気づいてなかったのですが先輩ヤンキーからすると、こないだまで中坊だった入学早々の新入生がベランダからたまご巻きを落としてゲラゲラ笑って宣戦布告してきてる。
あかん、あいつら完全に調子乗ってるから一回シメとこってなったんでしょう。
怒り狂った先輩ヤンキーたちが3階の僕らのクラスまで乗り込んできました。
「たまご焼きを上から掘ったのはお前らかぁ?」
校内でもめちゃくちゃ怖い先輩たちです。
ゲラゲラ笑っていたクラスメートもみんなシーンとなって、不思議な結束力のもと僕らとちゃいますとシラを切り倒しました。
プーチンもびっくりするほどの大嘘でした。
その日はそれで終わったのですが、翌日怒りの収まらない先輩ヤンキーたちは、僕らを校門前に呼び出しました。
これが高校生活初めての呼び出しです。
大勢の先輩ヤンキーに囲まれて高校生活の洗礼を受けたこの日が僕らのバースデイ。
クラスにはより一層の結束力が生まれました。
ベランダから落下した卵焼きが先輩ヤンキーの頭にのっかって呼び出しをくらう。
その時はビビり倒して胃が痛むような経験でも、漫画のようなこんな経験こそが後に振り返ってみると皆で何度も笑い合える良い思い出になるのが高校時代の醍醐味っていうもんですな。
最後に当時の先輩ヤンキーたちに一言。
目立ちまくりの校門前に呼び出してどゆこと!?呼び出しは校舎の裏って昔から相場が決まっとるんちゃうんかい!