リアルタイムドキュメンタリー

働き手不足の解決策は自動化よりもXXXだ

昨日の関東圏は一日雨が降り続きパッとしない天気でした。

僕は自宅で読書やノムさん特集などを見ながらまったりと過ごしました。晴耕雨読が一番ですね。あなたはどんな一日を過ごしましたか?

 

さて、一日家の中にいるとウズウズしてきて、どうしても外に出たくなる性格です。

夜ご飯は妻と一緒に、イマをときめく「焼肉きんぐ」の食べ放題を初体験してきました。

焼肉きんぐと言えば

焼肉きんぐ

「お席で注文、食べ放題」のキャッチコピーの通り、2,680円からという低価格な焼肉食べ放題設定にも関わらず、全て席へ配膳までしてくれる行き届いたサービスが魅力で店舗数を急拡大させている焼肉屋です。

しかも幼児は無料、小学生は半額。ファミリー層にはモロはまりです。

東証一部上場の物語コーポレーションの主力事業です。直近のIR資料によると232店舗(直営141、FC91)、店舗数でみるとトップの牛角に次いで二番目に位置しています。 

焼肉きんぐが提供するイケてるUX

僕がよく行くスシローとかもそうなんですが、普通は個別商品がマス目に並んでいる無機質なデザインが多いと思うので、このUIは新鮮かつ食欲をそそりました。

このようなUIにすると提供商品が変更された場合のコンテンツの差し替えが大変になるので、変更の少ない定番商品は一枚絵でリッチに見せて、変更発生の多い商品は従来型の升目のUIを採用する工夫が見られました。CMSのテンプレも拘ってそうです。

プッシュ通知で販促されても食べ放題なんで、売りつけられた感覚がなく、純粋におすすめしているんだなと感じました。

食べ放題に特化しているので、全ての商品サイズが小分けにされた程よい分量になっています。これも豊富なメニューから色々な商品が少しずつ食べれて満足度が高まります。

そうすると、必然的に机に皿が沢山並ぶ事になりますが、バッシングが高速で机が常に綺麗な状態で気持ちの良い食事ができました。同じく注文後の配膳も高速で待ちがありません。従って、食べ放題の時間設定が他店舗に比べて短くてもストレスがない。

さらに、店内には「焼肉ポリス」と言われる焼き方を教えてくれたり、実際に焼いてくれたりする役割の店員さんを配置しています。隣の席のグループ客は実際に焼いてもらってキャッキャと盛り上がってました。

ビジネス視点で見た焼肉きんぐ

これなんだと思います?

この働き手不足が叫ばれ、どの業界もアルバイトが全然集まらないと嘆く事業環境にあって20人の従業員が全員日本人でほぼ20代の若い子達です。元気とホスピタリティーがあるんですよ。

時給を確認してみても、さほど高い金額が設定されている訳でもありません。

僕も学生時代に飲食店でバイトしていたのでよく分かりますが、こんだけ薄利多売の商売だと従業員はめっちゃ大変ですよ。汗だくになって走り回ってないといけないと回りません。体力面だけでいったらブラックです。

それでも、なんでこんなに人が確保できてるのか。

ここからは僕の仮説ですが、ポイントは大量投入されたアルバイト人数です。

要はこれ団体競技で優勝目指すような部活と同じなんです。

これだけの人数がいるからワイワイと従業員同士のコミュニケーションも活発に行われ、働いていて楽しいんだと思います。おそらくバイトの外でも一緒に遊びに行ったりしてコミュニティ形成がされているはずです。

皆さんは小さいサイズの店舗で2、3人でバイトした経験ありますか?僕は何度もあるので分かるんですが、従業員同士のコミュニケーション量が少なく、はっきり言ってつまらんのですわ。3人ならまだしも2人なんて、チーム感にかけてます。1人なんてこともありましたが地獄です。

これは、働き手不足の影響で人間系の作業を極力排除し、自動化する事で店舗オペレーションを回す従業員の人数自体を減らそうとする努力の方向性自体が誤っている可能性があると言うことです。労働力を補う為に自動化は確実に必要なのですが、近い将来「完全無人化店舗」か「チームでワイワイする店舗」か、どちらかに極端に振れる世界しかありえないのかなと思ったわけです。

先日NRF2020(世界最大規模の小売カンファレンス)の記事で従業員体験(EX)の重要性の高まりについて触れました。EX重視は世界的なトレンドです。

従業員を大量投入する事がコストになるのではなく、消費者にとってのサービス価値を高めるコアとなり、さらにはEXも向上させる効果があるビジネス設計を考えることが今後の勝敗を決める一つの大きな要因となりそうです。

いやはや焼肉きんぐ様、お見それしやした!