リアルタイムドキュメンタリー

デジマ担当者がみたジャパニーズ・ド田舎の町興し策の可能性「なぜ、今ブロガーなのか」その2#大台町PR

その1からの続きになります。

大台町のエコツーリズムを引っ張る「Verde大台」

Verde大台ツーリズムの野田代表

Verde大台ツーリズムの野田代表

今回の大台町魅力発信ツアーの核となるアクティビティである

『水』×『食』 大台ピクニック

『水』×『森林』仙人と行く。大杉谷ピクニック

Verde大台ツーリズム(以下、ヴェルデ)の野田さんに全てご案内して頂きました。

ヴェルデは地域DMO法人として、自然を活かした大台町ならではのアウトドアプログラムを多数開発し、国内外へ情報発信することで数多くの観光客を大台町に呼び込み地域の活性化に貢献しています。

2018年には人口1万を下回る大台町に2000人近い観光客を集め、多くのメディアにも取り上げられています。 


奥伊勢は休日に魔法をかける場所【Verde Outdoor Program】

一方で大台町への興味関心レベルはまだ低い

Googleトレンドによる三重県市区町村の興味関心比較

これはGoogleが蓄積している膨大な検索データをもとにしてキーワードやトピックの検索回数トレンドを確認できるGoogleトレンドというサービスです。

このGoogleトレンドで三重県の有名どこの他市町と興味関心の度合いを比べてみると、

伊勢神宮を有する「伊勢」、松阪牛の「松阪」に比べ、圧倒的に「大台町」や「大杉谷」に対しては興味関心が薄いと言えます。

出所)Google Trends

生活者1万人アンケートにみる旅行者の趣向と大台町観光情報の課題

ネット検索による下調べは年々増加傾向にある

ネット検索による下調べは年々増加傾向にある

NRIの2018年の生活者1万人アンケートによると、商品・サービスを購入する際の情報源のうち「ネット上の売れ筋情報」や「評価サイトやブログ」を参考にする10代~50代は年々増加傾向にあります。

しかし、実際にネットで検索して情報を拾おうとしても、大台町の観光情報が乏しいのが現状です。

試しに手元のデバイスから「大台町 観光」のキーワードで検索してみると、

トップに大台町観光協会のWebサイトがきて、じゃらん、トリップアドバイザーの観光スポットランキングと続きます。これらのサイトを見ていて感じるのが、観光客側から発信されている情報の少なさです。インスタやTwitterを見ていても同様の傾向が見られます。

現状では旅行者がみんな何を目的にして大台町に遊びにいっているかが分からないのです。

今回参加した30代のブロガーのなかには、その点を指摘する声もありました。

ではシニアに対してはどうでしょうか。

デジタルシニアは消費も旺盛、趣味にも積極的でアクティブ

アクティブシニアじゃらん宿泊旅行調査2019(リクルートじゃらんリサーチセンター調べ)の調査結果によると、18年度の延べ宿泊旅行者数は20歳~49歳が6,987万人回、50歳~79歳が7,790万人回と既にシニア層が10%以上も上回っている事が分かります。将来人口推計を考慮すると、今後この傾向は益々顕著になっていくと予想されます。

セグメントボリュームの大きなシニアはエコツーリズム事業でも狙うべきメインターゲットの一つです。前述の生活者1万人アンケートでもシニアにおける行動のアクティブ化やネットで能動的に情報を取得するデジタル情報志向の高まりについて言及されています。こうしたシニアは消費においても付加価値志向を持ち、趣味などの活動も積極的であることが指摘されています。

また、著名コンサルタントの大前氏の著書「大前研一 日本の論点2020~21」のなかでも60代~50代半ばのバブル世代がリタイアを迎えた時に、それまでと全然違う行動を取り消費欲を開放する可能性に着目されています。

最後にインバウンドの増加と情報提供の重要性は言うまでもありませんが、今回のモニタツアーのターゲット層とは異なる為、ここでは議論を割愛させて頂きます。

観光客目線の情報を充実させる為の体験型モニタツアー

積極的に情報収集するブロガー

モニタツアーに参加し積極的に情報収集するブロガー

つまり、認知度を上げると同時に観光客目線での情報をネット上に充実させる必要があると言えます。そのうえで、ターゲットとなり得る幅広い年代層(30代~50代)の著名ブロガーを招待して観光客目線で魅力を発信してもらう今回のツアーはこの課題に対する打ち手として理にかなっています。

では、観光客からの情報を引き出すには他にどのような施策が考えられるでしょうか。

よくあるのは、利用者に口コミを投稿してもらう代わりに割引を提供するというものですが、玉石混合の個人に口コミを書いてもらうのは費用対効果が悪くなりがちです。

その点、今回の体験型モニタツアーのようにスクリーニングされたブロガーを招待する事で費用対効果に見合った情報発信が期待できます

  

その3に続きます