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不妊治療を我が子に告白すべきか、Whyからはじめよう

不妊治療

我が家は不妊治療を5年間続け、昨年にようやく赤ちゃんを授かり、今年の春には待望の子が生まれる予定だ。

不妊治療には5つのステップがある。

  1. 不妊基本検査…妊娠に関係する機能を検査し、原因と特定する

  2. タイミング法…医師と相談しながらセックスするタイミングをはかる

  3. 人工授精…精子を直接子宮内へ注入し妊娠へ導く

  4. 体外受精…体外に取り出した卵子に精液をふりかけ、受精卵を子宮に戻す

  5. 顕微授精…体外受精で精子をふりかけても自然に受精しない場合、卵子の細胞質内へ直接注入して受精させる。その後、受精卵を子宮に戻す

原因、検査、治療からこころのサポートまで 最新 不妊治療がよくわかる本

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  • 作者:辰巳 賢一
  • 出版社/メーカー: 日本文芸社
  • 発売日: 2011/01/14
  • メディア: 単行本
 

上から順番に徐々にステップアップをして、高度な治療へと進んでいく。我が家の場合は 、最後のステップである顕微授精を数回経ての妊娠だった。

 

先日、不妊治療の事を我が子に告げるべきかどうか、妻と議論になった。

僕、個人としては告げるべきでない。と考えていた。理由は、将来自我が芽生えた子供が「俺(私)、こんな風に人工的に生まれたんかあ」という事を一瞬でも考えてしまう可能性があるなら、その可能性すら排除したいと思っていたからだ。

人工的という言葉には、どこか無機質で温もりが感じられない。勝手にそのネガティブなイメージに引きづられてしまっていたのだ。

 

少し古い記事だが、こんなパタンもある。

これは、第三者から精子の提供を受けて(精子ドナー)生まれた子供が 、将来大きくなり、偶然事実を知り大きなショックを受けるケースを特集した記事だ。精子ドナーの場合、血の繋がりがなくなるので、顕微授精よりもさらに重い告知となることは想像に難くない。

夫は、「言わないとだまされているって 言われてしまう。将来知られた時に、『今までずっと隠していたでしょう』と、子どもに言われたらどうしようと夫婦で話した」と打ち明けてくれました。

妻も「どう嘘をつこうかということばかり考えていたので、告知すればそういうことを考えなくても、嘘を重ねなくてもよくなるし、正直な家族関係ができるのではないかと思った」と話していました。

子供にも知る権利はある。正直な家族関係を築くことの意義もある。そんな論調で語りかけられている。

 

妻はこう言った。

「どうやって子供を授かったの手法よりも、どれだけ子供が欲しいと願ったか、どれだけ望まれて生まれてきた子か、その想いの強さの方が大切」

「不妊治療で5年間かかった分だけ、その想いは強くなってるんだから、子供には将来その想いを伝えれば良い。手法は枝葉にすぎないので、別に伝えても良いんじゃないの」

僕はハッとした。100%その通りだと思った。多分、僕よりもずっと妻の方が熱い想いを込めて待ち望んでいたんだと気づかされた。”人工的”や”正直な家族関係”とかはさして重要ではない、本当に大切なことは想いの強さなのだと。

なぜ告白するのか、サイモン・シネックはWhyから始めよと言った。

この場合のWhyは、想いの強さからくる愛情を伝えることだった。

そして、同じ悩みを抱えている人にも知ってもらいたいと思いこの記事を書くに至った。

誰かに届くといいなぁ。