リアルタイムドキュメンタリー

まずは騙されたと思って、何も考えず最後まで見て欲しい。最初から最後まで見る事がポイントだ。絶対に飛ばすんじゃないぞ。

あさぎーにょ

Twitterで話題になっていた、あさぎーにょのこの動画。現在の再生回数は300万回を超えている。

タイトルは「もう限界。無理。逃げ出したい。」

これだけYoutubeを見ている僕の場合でもこの動画がきっかけではじめて知った方だった。

まずは騙されたと思って、何も考えず最後まで見て欲しい。最初から最後まで見る事がポイントだ。絶対に飛ばすんじゃないぞ。

 

僕は1回目の視聴を終えてこう思った。

なんかパツ金の可愛らしい若い子が、自分の旅行の様子をお洒落に映してる流行りのVLOG的なあれか。18分は正直長い。いつも通り飛ばしながら見よう。それにしても最近の若い子はホントにうまく動画を編集するなあ。

いや待てよ、著名人たちがこぞってその素晴らしさを取りあげてる。見落としている何かがきっとあるに違いない。もう一度ちゃんと見てみよう。

 

正直に話そう。二回目でも最後まで見れなかった。10分までが限界だった。僕は結構せっかちな人間なんだ。

しかしこれだけは理解できた。VLOGにしては作り込みが過ぎるぞと。風船を取ってあげたり、カツアゲを止めたり、そんな事が普通の日常にある訳がない。Youtubeをたくさん見ている自分だからこそ、このフィクション具合はより分かる。ラファエルもほぼ企画だって言ってたしな。でもなんだろうYoutubeが持つ文脈なんだろうか。作り手の巧さだろうか。全然フィクションに見えない。もう一度そこに注目して見てみよう。

 

昔っから「やらせ」ってのには異常過ぎるほど敏感で、それまで全てがうまくいっていたのに、やらせを感じた途端に一瞬で覚めてしまう。

テラスハウスは制作スタッフの映り込みを一切排除しドキュメンタリー化に成功している。ベッドに入ってスマフォで見るようになってからは、壁に穴を開けてリアルな生活を盗み見しているような気持ちになって、これがフィクションだなんて信じられないような錯覚に陥る。

すべらない話でも実話にトコトンこだわっているのはリアル感こそが面白さの重要なファクターである事を作り手はみんな知っているからだ。

Youtubeのプラットフォームは自分の私生活をチラ見せするというコンテキストを持っている。超ニッチな無限の個が放つ、そのリアルさこそが面白い。

人気Youtuberにとっては日常だが、一般人にとって旅行とは非日常を楽しむものだ。でも非日常すぎて自分とはかけ離れ過ぎていない共感をもてる絶妙のライン、それが海外でも北海道でもなく、東京からふらっと行ける熱海だったんだ。

頭上から降ってくる花瓶を避け事故を回避するシーンも、そんな熱海にならありそうだと不思議と思えてしまった。

3回目にしてようやく最初から最後まで通しで見たことで動画の意図を初めて知ることになる。そしたら、たまらなくこの動画を人に伝えたくなった。

 

Youtube嫌いの妻を誘って一緒に見た。僕が勝手に見せる動画はいつも途中で遮られてしまうが、最後まで見てくれた。ほぼ奇跡だ。

妻の意見は世論を知るバロメーターになり得る。多分この動画は誰もが見れる内容に仕上がっているんだと思った。

この人は何者なんだと、衝撃を受けた僕は過去の動画も漁ってみることにした。あさぎーにょのチャンネルにいき、動画投稿日付の古い順番にソートして、4年前から始まったその軌跡を順番に見ていった。どうやら毎日投稿していたようだ。

ちなみに、最初に投稿された動画がこれだ。

 

みんな最初はこんなとこからスタートしている。日を経つごとに動画のクオリティが上がっていくのがよく分かる。まるで桜木を見守る安西先生の気分。

どんな天才や成功者だって、最初はみんな絶対凡人なんだよ、ブレてるんだよ。ブレながら紆余曲折を経て今の人気スタイルに落ち着いている。だから最初はブレブレでもいいんだよ。

僕の心もブレブレのグラングランに揺らされ、完全にもってかれてしまった。

そして、5回目の視聴へ。

 

ここまで見てきて、ようやく分かった。

そうか、これはあさぎーにょがこれまでYoutuberとして辿ってきた軌跡であり、生き様そのものだ。

「なんかもっと出来ることある気がするなあ」

「なんやろ。もっと新しいことドンドン、チャレンジしたいし」

「みんなの笑顔作っていこっかな」

煌びやかな花火をバックに仕掛けられる側から仕掛ける側へと覚悟を決めたシーン。それが4年前に彼女がYoutubeを初めたその日だったんだ。

その時は運よく回避できた課題も、長い人生周り回って結局本質的には同じ課題にぶつかることがよくある。SF的なループで表現したこの人生の普遍的な法則。

今日も昨日も同じように繰り返され、もう限界。無理。逃げ出したい。と思う日常だって「何もせえへんかったら、また同じ日が来るんよなあ」と一歩を踏み出して小さい変化を起こすところからスタート出来るかどうか。

too late to die 

まだHAPPY ENDINGは起きていない

 

明日やろうはバカヤロウなんだよ!