今日も一つ、僕は逆転への布石を打っていく。
なぜ未来が見えなくなってしまったのか内省に入る前に、まずは僕が10年間過ごしてきたSIerについての深掘りをしていきたい。
SIerとは何なのか
SIerの仕事内容や業界事情については既にたくさんの解説記事がネットに転がっている。
SIerの事を全く知らない人向け
20代からの視点で見た仕事内容
もう少し年季の入った上流よりの視点での解説記事
SI業界の闇
SI業界にいると以下のポイントがよく議論の対象になる。
- 多重下請け構造の問題
- 労働集約的な枯れた技術のオンパレードに加え、マネジメントばかりでITスキルが身につかない(と言って辞めちゃう若手問題)
- 御用聞きビジネスモデルの限界を超える為の、デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略のゆくえ
そして、上記を諸々ひっくるめて囁かれる、SIerオワコン論争
多重下請け構造の問題
建設やマスメディアなどSI業界に限らず多重下請け構造の闇を抱える業界は多い。決してこの構造が良いとは考えていないが、僕ひとりが何か言ったところで何も変わらないしがらみ構造がありここでの言及は避けたい。
この記事でその一旦は垣間見えるが本質をついている。
一個人としての振る舞いを考えるのであれば、業界構造の問題に毒づくよりは、少しでも上流に位置する会社、中でも顧客と近い関係にありプロジェクトの一切を取り仕切る側にある優良な会社で働く事がSI業界をサバイブする定石とされる。何もSIに限った話ではない。それによって、年収も労働環境もその後のキャリアパスも全く異なってくる。
SIにネガティブな人の話を聞いてみると、「それはすぐに逃げた方がいいね」という環境で働いている事が多々ある。
技術よりであれマネジメントよりであれ、自分がリーダーとなってプロジェクトを引っ張るという経験が人を成長させると思う。
ではこの課題はクリア出来たとして、
労働集約的な枯れた技術のオンパレードに加え、マネジメントばかりでITスキルが身につかない(と言って辞めちゃう若手問題)
ネット上で見かけるSI退職エントリのほとんどがこのパタンだ。飛び交うキーワードは「SIerからWeb系へ」。中でも界隈で去年こんな本が話題になった。
本書で書かれている内容はリアルで、SI業界に身を置く人なら既視感満載の良書だ。
タイトルの通り、筆者が実践して効果的だった脱出の為の方法論を惜しげもなく披露しているので人気が出る理由も納得できる。
システムエンジニア以外の方は1ミリも興味が湧かないCOBOLをはじめとする古びれた開発言語やフレームワークの利用(特に内製ミドルであればスキル的な市場価値の獲得は地獄的)、ウォーターフォールvsアジャイルの開発プロセス論争、エクセル・パワポおじさん等、この手の問題には色んなキーワードが出てくるが、つまるところエンジニアリングに力点を置いたキャリアパスを描いていた若手が入社時にミスマッチを起こして退職したという事だと捉えている。ミスマッチしたら逃げれるうちに逃げておこうというのは僕も同じ考えだ。
ここ数年の実態については、この記事が一番近いように思える。木村さん流石だよ。
ちょっと違和感を感じるのは、大手SIerを志望して入社する奴の多くはテクニカル重視ではなく、僕と同じように技術力とビジネスやマネジメントスキルをバランスよく身につけたいと入って来たアプリケーションエンジニアなはずなのに、世に溢れているSI退職エントリが「SIerからWeb系へ」の一辺倒すぎやしねーかい?ということ。
ではそのバランス派の人たちが辞めていないかといったら、そんなこともない。どうやらうちの会社だけに限った話でもなさそう。
既出のクロステック木村氏しかり、ここの話がなかなか表に出てこない。
個人的には、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代においてこれまで王道とされてきたプロジェクトマネージャーという仕事に対するミスマッチと憧れへの低下が大きいのではないかと感じている。次回はそんな話を掘り下げていきたい。
明日やろうはバカヤロウなんだよ!